今と

「千鶴ー、早く帰ろうぜ!」

「うん」







いつもの放課後

いつもの会話

いつもの帰り道





君と過ごす今








「千鶴、帰りどっか寄ってく?」



私には前世の記憶がある
平助君にも前世の記憶がある



神様が私たちにくれた、贈り物




「公園に行きたい」

想いでの場所に

「じゃぁ、いくか」

彼も気づきながら言ってくれた

辛いはずなのに

「やっぱ、ここにくるとさぁ〜…何か悲しくなるんだよなぁ」



もうずっと前に…
彼はここで死んだ
灰になって
私をおいて
消えていってしまった


涙が止まらなかった


悲しくて悲しくて
恋い焦がれて




「泣くなよ。」

彼の方を向くと
彼は苦笑いをしていた

「もう、千鶴を置いていったりなんかしない」

強いまなざしで、私を安心させるように

「もう、俺は羅刹じゃない。」

涙が止まらなくなる

「人間だから」

君と再び出会うために

生まれてきたのだから

「なくなよ」
初めて平助君と逢ったのは、5歳の時だった

私が引っ越した家の隣に、平助君家があったのだ

それ以来の幼なじみ

前世の恋人









「ずっと傍にいるよ」


なにがあっても

もう置いていきはしない


「だから千鶴」

笑って?

そして…

「また俺と、一緒に生きていかないか?」


彼からの言の葉に

私はただただ、泣くばかりだった

彼の言葉への

喜びの涙だった





(私をおいていかないで?)
(きみと過ごす今が消えないように…)