偶には
抜け駆け

千鶴が新撰組と過ごし始めて2年目の正月

千鶴は悩んでいた

それというのも、今現在の自分の格好のためだった

「・・・・・・変・・・・かな?」

千鶴が今着ているものは

女物の着物だった

2年前までは、それが当たり前だったのだ

だが新撰組に男として入隊した千鶴は

まさか自分が新撰組にいる時に

女の格好をするとは思わなかったのだ

「・・・・どこか変じゃない・・・・・かな?」

何故千鶴が女の格好をしているのか

それは数刻前に遡る









「お?雪村君じゃないか。」

「近藤さん、今お帰りになったのですか?」

「あぁ!千鶴ちゃんに土産を持ってきてやったんだ。」

「土産・・・・・・ですか?」

「うむ!千鶴ちゃんも久しぶりに女物の着物を
着たいのではないかと思ってな。」

そういって近藤さんが私の前に女物の着物を広げた

「・・・・・うわぁ・・・・・!」

「着てみないか?」

「いいんですか!?」

「あぁ!としには俺から言っておこう」

「ありがとうございます!」















久方ぶりに女物の着物を着れるのは嬉しかった

だが、あまりにも男の格好をするのに慣れすぎて

なんだか気恥ずかしいのだ

「うぅ・・・・・・でるに・・・・でずらい・・・。」

そのとき廊下を走ってくる音がした

「千鶴ーーーーー!!!」

扉越しに聞こえた声

「へ・・・平助君?」

「あぁ!あのさ・・・・もう着替え終わった?」

きっと近藤さんに聞いたのだろう

「え・・・・・・うん。」

「まじ!?開けていい?」

「・・・え!?・・うん、大丈夫だよ」

恥ずかしいけれど

ここで一歩踏み出せば!

襖が開く

平助君の視線を感じる

私は恥ずかしさから、顔を俯く

そのまま、2人の間には沈黙が流れる。

だが、沈黙に耐えられなくなった

「あの…平助君?ど…どうかな?」

「…………へ!?」

スッゴく驚いた声

「あの…似合って…るかな?」

「すっげぇ似合ってる!!……なんか、
思ってたよりすっげぇ可愛かったからさ」

顔が赤くなっているのが自分でも分かる

ふと平助くんを見上げると、平助君の顔も真っ赤だった

「平助君顔真っ赤・・・」

「千鶴もだろ!」

お互いに笑いあう

いつか、この姿が本物になる日を思って・・・・















☆おまけ☆


「ねぇ土方さん。僕も千鶴ちゃんの着物姿見たいんだけど。」

「もう少し待ってやれ・・・。」

「平助のヤツ千鶴ちゃんを独り占めしやがって・・・。」

「・・・・・・・・・くだらん」