シリアスが
好き

暖かな木漏れ日
昼寝をするには最適だろうな
今日もまた2人で散歩して…
そんなことを考えていたとき聞こえてきた
愛しい人の声
「千鶴」
どこかあどけなさが残りながらも、意志の強さを感じる声。
「平助くん」
あどけなさが残っているけど、彼は、
彼の新選組の幹部の一人だったのだのだから
意志の強さを感じるのも当然かもしれない。
「なぁ…千鶴。市に行こうぜ?」
「市?うん。せっかく良いお天気だから、
出かけるのもいいね!」
「ああ…それに…‥」
そう言って、平助君は空を見つめた
「どうかしたの?」
悲しそうな眼差しに、心配になる
「いーや!なんでもねぇ!それより、
行くんだったら早く行こうぜ!」
明るい声
さっきの平助君の表情が嘘のように、
今では口の端を上げてニヤリと笑っていた
「ま…待ってよ平助君!」「置いていく訳ないだろ?ほら」
優しい微笑みで、手をさしのべてくれた
「…ありがとう」
私はその手を取った。繋いだ手が温かかった。
「へぇ…結構賑わってるんだな〜」
「そうだね。…あっ」
「ん?どうかした?」
「ぁ…あの店…少し見てきても良いかな?」
「別にいいぜ?俺、ここで待ってるし」
「じゃ…じゃあすぐ戻ってくるから。」
そう言って千鶴は店の中に消えていった
(………時間が…ないかもしれないな)
「そこのお兄さん!」
「俺?」
「そうだよ。ちょっと見ていかないかい?」
「……まぁ…暇だし、ちょっとだけなら別に良いけど。」
どうせ、千鶴はここに帰ってくるだろう
だったら、何か見ていたほうが時間が潰せるというものだ
「ここってなに売ってんの?」
「かんざしとかだよ!お兄さんの場合は
誰かに贈り物として買うのがいいと思うよ。」
「かんざしねぇ・・・・・・」
はっきりいって興味が無い
だが・・・・・
たくさんのかんざしの中で
ひとつだけ目を引くものがあった
「______これ・・・・・・・・」










「ごめんね?平助君!待ったよね?」
千鶴は急いできたのか、息が乱れていた
「ぜんぜん!・・・・・・・なぁ千鶴」
「なに?平助君。」
「一緒に散歩しながら帰らねぇか?」
「・・・・・・うん!」






一緒にのどかな路を歩く
千鶴は嬉しそうに微笑んでいた
その笑顔を見ているだけで・・・心が温かくなる
その反面・・・胸が痛くなる
「平助君?」
顔に出ていたのだろうか
千鶴が心配そうに俺を見てきた
「なぁ・・・・千鶴・・・・・」
「なぁに?」




君を手放したくないんだ
君を置いていきたくないんだ











「これ、千鶴に似合うと思ったんだ。」

千鶴の髪に先ほど
たくさんの中から目を惹いたかんざしを挿した

「ありがとう!平助君!」

スターチスをあしらったかんざし


「千鶴・・・・忘れないで欲しいんだ・・・・















    俺の気持ちを・・・・」












風が花弁と共に舞う



「・・・・・・・・・平助・・・・・君?」










平助君の顔が花弁に隠されていく

掠れていく



「平助くん!?」





「千鶴・・・・・・・さよなら・・・・・・・」




視界が揺れる

平助くんの笑顔が見えなくなる






「わすれないでくれよ?」







せめて目に彼の姿を焼き付けておこうと・・

懸命に目を凝らす

耳をすます





「俺は・・・・・・・いつまでも































言葉は何も聞こえなかった

だが・・・・・・・伝わってきた・・・・・








ただ目の前に広がるのは

いつもの風景

変わったのは・・・・・・・・・

私の隣に彼がいないことだけだった・・・・・・・・・・



























いつまでも千鶴のことを思っているから












アトガキ

やっとできた平助の灰になるシーン
いつものヤツよりはちゃんと構成を練りました
ただ・・・最期はやっぱり考えなそ・・・・


ちなみに・・・・

スターチス
永遠に変わらない心、変わらない誓い